映画「人生はビギナーズ」の試写会に行ってきた

「たぶん俺、すごい泣いてしまうんだろうなぁ。」

そう思ってタオル地のハンカチを持って試写会に向かった。
しかし予想に反して泣けなかった。
眼を赤くするのではなく、頬を赤くしてヤクルトホールをでて新橋駅に向かった。

この映画では大事件も奇跡もおこらない。
いや、もちろん父親がゲイであることをカムアウトするのは「大事件」だし、美しくかつ似たもの同士のアナとの出会いは「奇跡」だ。
ただまちがいないのは、誰もが歩んでる人生、その中で繰り返される小さな〈はじまり〉の連続が淡々と描かれているということ。
その〈はじまり〉は死ぬまで続く。
そしてその後も残された家族が小さな〈はじまり〉を繰り返していく。

思えば、劇場で涙した映画はたくさんあった。
しかし、劇場を出て4時間たっても心になにかが刻まれたまんまの作品はあまりない。
この「泣けなかった」映画にはそれがシッカリとある。


[vimeo 32379880 w=640 h=360]

Fred Falke's Aurora from Hugo RedRose on Vimeo.



この動画がこの映画を観るキッカケだった。
これはオフィシャルのものではなく、スペインの映像マッシュアッパーHugo RedRoseがこの作品の映像を勝手に使って作ったFred Flakeの新曲の"非公式PV"。
大好きなFred Falkeのトラックと恐ろしくマッチしている。

ぼくにとってユアン・マクレガーといえば「トレインスポッティング」。
その延長線にこのトラックもあったわけだが、当然Fred Falkeは使われていない。
ただ映像の美しさはこのままだ。

この作品で心に刻まれたものを一言では言い表せない。
ぼく自身の人生で言えば、一昨年9月の39歳の時にまさかするとは思わなかった結婚をし、昨年10月の40歳で娘が生まれた。
それまでは若い時の勢いとその惰性で走っていた。
でも妻と出会ったことで人生の〈はじまり〉があり、娘が生まれてまた〈はじまり〉を体感している。

おそらく、この先も多くの〈はじまり〉が繰り返される。
幸せなことも不幸なこともすべての〈はじまり〉をビギナーとして噛み締めて生きていこう。
終わるだけの人生なんてないんだ。
頬が赤くなったのは未来へのポジティヴな期待と決意だ。

蛇足だけれど、ユアン・マクレガーはぼくと同い年で誕生日も近い。
アラフォー男性、特に独身の人に、ぜひ一人で観に行ってほしい作品。



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▼人生はビギナーズ
http://www.jinsei-beginners.com/
by champlasonic | 2012-01-12 16:01 | days